全作品を通して密室殺人のみを取り扱っている他、純子が様々な仮説を立てては榎本が反証することで、解を一つ一つ潰していきながら推理するという「別解潰し」が基本的なパターンとなっている。犯罪そのものは陰惨なものが多い一方、純子の仮説が暴走してしまうのが次第にお約束ギャグとなっていく点(『ミステリークロック』ではこれにとどまらず、極限状況下でヒロインにあるまじき道化役を演じる)など、全体として貴志作品としてはユーモラスな味を湛えた作品が多いが、劇団『土性骨』が関わる話はとりわけスラップスティック・コメディに近いタッチとなっている。
当初、著者は榎本と純子を1作目の『硝子のハンマー』のみの登場人物にするつもりだったが、『硝子のハンマー』では使用されずにストックされたトリックを活かすためにシリーズとして描かれ、2作目『狐火の家』が刊行されたという経緯がある。『硝子のハンマー』以降の榎本・純子の活躍は短編として2005年から『野性時代』(2011年に『小説 野性時代』に改題)で不定期に掲載されている。
2013年から2014年まで、JTの公式WEBサイト「ちょっと一服ひろば」で、テレビドラマ版オリジナルキャラクターの芹沢豪が主人公の番外編「一服ひろばの謎」(全5話)が連載された。この短編は、2015年に発売されたアンソロジー・角川文庫『サイドストーリーズ』(ISBN 978-4-04-102611-3)に収録されている。
2020年、文庫本の装幀が刷新。各巻ごとに異なるイラストレーターが起用されている。『硝子のハンマー』はyoco、『狐火の家』は浮雲宇一、『鍵のかかった部屋』は田中寛崇、『ミステリークロック』『コロッサスの鉤爪』は鈴木康士が担当した。
Erika Toda joins a law firm headed by Serizawa-san, on the first case she meets Enomoto Kei of Tokyo total security who unlocks Serizawa who has accidentally been trapped in a vault. Form thereon the trio solve 10 cases related to the locked room. Enomoto always makes a small scale model and thinks technically in terms of security and locks to solve cases, while Serizawa assists by hinting some circumstantial evidences. Serizawa is always ready to take credit of new found fame.