知能指数は人より劣るが、足の速さとその誠実さは天下一品という一風変わった主人公フォレスト・ガンプの半生を、時代を象徴する“事件”とヒット・ナンバーで綴った心暖まるヒューマン・ファンタジー。映像化は困難と思われていた原作を映画的に奔放に脚色したシナリオも素晴らしいが、やはりこれは、多くのSFX映画の中できっちりとロマンを描き続けて来たR・ゼメキスの手腕と、まるでガンプそのもののようなT・ハンクスの存在があって初めて実現し得た作品であろう。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズでもゼメキスと組んでいたA・シルヴェストリが、数々の懐かしい名曲と並んで、まったく引けをとらない美しいスコアを書き上げている。スペンサー・トレイシーに次いで、ハンクスが2年連続主演男優賞を取った他、アカデミー賞では当然のごとく、作品・監督・脚本といった主要部門を総嘗めにした。
The history of the United States from the 1950s to the '70s unfolds from the perspective of an Alabama man with an IQ of 75, who yearns to be reunited with his childhood sweetheart.